屋根工事における屋根塗装とは_00

屋根工事における屋根塗装とは

2019.02.14

屋根は職人が点検などを行わない限り、傷みや経年劣化などは発見できません。屋根は直接的に紫外線を受けたり熱や雨風にさらされる下に設置されるので、家を形成する部位のにおいても、傷みやすい代表的な部分でもあるのです。屋根が古くなって、損傷・破損が生じると、雨水などが家の中に入り、家の骨組みを腐食させて、駄目にしてしまう可能性が高くなります。また、落ち葉やゴミが屋根に蓄積すると水はけも悪く、雨漏りの要因ともなりかねないのです。

職人が行う屋根工事の塗装は、施主の大切な住まいなどの空間を、長寿命化できる可能性を高くするものだと理解してください。

しかし、屋根リフォーム工事では、悪徳な施工業者によるトラブルが起こっていることも事実です。同じ屋根工事に携わる人間の中に、自らの業界の足を引っ張るようなことはあってはいけないことですが、そうした風評被害に負けずに真摯に屋根工事に取り組む心構えを持ちましょう。では、屋根塗装について詳しく見ていきます。

 

屋根工事の基礎知識


屋根塗装を含め、屋根工事には、塗装(塗り替え)工事カバー工法ふき替え工事の3種類が代表的な工法として挙げられます。平均的には7~10年で屋根塗装を、15~20年でふき替え工事というのが基本的な屋根リフォーム工事のイメージとなります(屋根の素材や塗料にもよって、多少の変動はあります)。職人は屋根の現状や経年劣化の度合い、新築から、または前回の屋根リフォームからの時間の経過を把握した上で、最適な工法を選びましょう。

 

屋根材の種類


大別すると屋根の素材には粘土、セメント、スレート、金属の4種類が存在。以下は各屋根材ごとのリフォーム工事のタイミングの目安です。

 

目安としての屋根のライフサイクル

日本瓦  5年目(点検) 10年目(点検)  15年目(点検) 20年目以上(全面補修[必要に応じてふき替え])
セメント瓦  5年目(点検) 10年目(屋根塗装)  15年目(点検)  20~25年(全面補修([ふき替え]) 25年(点検)
化粧スレート  5年目(点検) 10年目(屋根塗装) 15年目(点検) 20~25年(全面補修([ふき替え]) 25年(点検)
ガルバリウム  5年目(点検) 10年目(屋根塗装) 15年目(点検) 20年目以上(全面補修([ふき替え])

注:日本瓦自体の寿命は50~100年と長めであるものの、「ふき替え」を全面補修のタイミングで行うケースが多い

 

屋根塗装・塗り替え工事


「屋根塗装・塗り替え工事」は屋根材に塗料を塗布する作業です。屋根の基礎を成している下地部分にさほど損傷がないときに有効な工法となります。屋根塗装・塗り替え工事を行う対象となる屋根材は、セメント瓦やスレート・金属のみ。日本瓦については、改めて屋根塗装・塗り替えの機会を設ける必要はありません。


屋根の塗り替え工事に使う塗料の種類


塗料と言っても一括りにはできません。大別するとアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッソ系の4種類の塗料があります。塗り替え屋根工事によく使用されるのはウレタン系とシリコン系の2種が目立ちます。各特長を以下に記します。

アクリル系
耐用年数 5~8年
価格 安価
特長 純度の高いアクリル塗料と、シリコンが添加された「シリコンアクリル塗料」があります。近年のよく使われるのは後者。塗料の価格は比較的安いだが、耐用年数は短め。

ウレタン系
耐用年数  8~10年
価格  標準的
特長  多様な屋根材に塗布することができる。密着性と耐候性・防水性に優れており、近年の屋根塗装における主流。

シリコン系
耐用年数  8~15年
価格  標準的
特長  光沢があり、安定性にも優れ、耐久性も高い。近頃の屋根塗装事例では多く見られる。

フッ素系
耐用年数  15~20年 高価
価格  高価な塗料であるため一般住宅の屋根に利用されることは少ない。
特長  汚れへの強さ・耐久性ともにこの中では最高レベル。

その他に施工価格は重ね塗りの回数、温度上昇の抑制効果が期待できる「遮熱塗装」、屋内の冷気や暖気を密閉して逃さない「断熱塗装」などの工程が加わることで、上下します。

 

色選びの提案のためのポイント


外壁塗装と同じく、職人は屋根工事の塗装も色の提案に気を付けなければいけません。

(1) 近所の家や環境になじむ色が望ましい
(2) 外壁の色との調和を考慮する
(3) 屋根は直射日光を受けるので、鮮やかな色ほど色あせも早いことを理解しておく
(4) 塗布する箇所の面積によって見え方が異なることを理解しておく(面積の大小によって同じ色でも、大きい方が色はより明るく、暗い色はより暗い印象を強める)

屋根塗装は屋根工事においてはもっとも一般的なものですけども、点検時に劣化が見つかり、同時に補修工事を行うことも少なくありません。

 

そのほかの代表的な屋根工事の工法


カバー工法
カバー工法とは、劣化が見られる屋根を撤去すせずに、新しい屋根材を上からかぶせる工法です。下地にさほど傷みが見られず、一方で屋根材の自体の損傷が著しいときなど有効な工事になります。ふき替えよりも工期が短く済み、廃材が発生しにくいので、その分費用は大きくなりにくいのが特徴です。外観が良く見えるだけでなく、単純に屋根が2重になる訳ですから、遮音性や断熱性も向上するという副作用もあります。ただし、屋根全体の総重量も増えるため、職人はカバー工法に適した軽めの屋根材を選ぶことや、施工の前に建物の強度や耐震性を確認しなければなりません。

ふき替え工事
ふき替えとは、屋根材や下地などをすべてをリニューアルする屋根工事です。損傷などがひどくなった屋根を全面撤去し、防水加工も踏まえ、新しい屋根に取り替えます。屋根を作り変えるに等しい訳ですから、屋根材などの制限は受けず、新たに換気扇を設けたり、天窓を増設するなど、機能、デザイン面も新たにすることができます。工程の多い工事となる分、完成までの日にちも多くなってしまいますし、工事の単価も他の工法と比べて高めとなります。

 

ふき替えで重要となる屋根材の選び方
「ふき替え」で大切なのは、屋根材の選択です。屋根材の機能としても「粘土系」「セメント系」「スレート系」「金属系」という4種類では違いがあり、外観その選択ひとつで変わります。職人はそれぞれにはどのような特長があるかも知り、説明できることも求められます。


 

粘土系
陶器などのように、粘土を高温の熱で焼いて作られた屋根材を指します。日本の高温多湿な気候に耐えうる素材として古くから使用されてきた日本瓦も粘土系の部類に入ります。耐久性は申し分なく、塗り替えなしにその長さおよそ50~100年とも言われています(瓦自体の耐久性なので、下地はメンテナンスや補修が必要)。ほかにも「陶器瓦」や「いぶし瓦」「素焼瓦」などの種類も存在します。近年は震災などの影響もあって、瓦自体の重量を気にする傾向があり、防災・減災の観点から屋根材としての利用は少なくなってきています。


セメント系
原料としてセメントと砂を使った瓦で、「セメント瓦」や「コンクリート瓦」と呼ばれます。「モニエル瓦(洋瓦)」もこの分類に入ります。日本瓦同様に厚みもあって、重厚感を演出できます。表面が塗装するので、時間が経つにつれて色味が薄くなったり、経年変色が起こります。ただし、定期的な塗り替えをしていれば、美しさは維持可能です。また、塗装で着色しているため、カラーバリエーションの幅が広いです。施主が趣によってカラーコーディネートを楽しむことができるという提案もできる素材です。


スレート系
薄い板状になった素材です。代表的なのは「天然スレート」と「人造スレート(化粧スレート)」です。天然スレートとは習字のすずりなどに使われる石で、それを薄く加工して作ります。落ち着きのある印象と重厚感を表現することができます。しかし、高級な屋根材なため、家庭用で利用されることは少ないでしょう。一般家庭でポピュラーなのは、「人造スレート(化粧スレート)」です。セメントに繊維を含ませて耐久性を高めた薄い板状のスレートになります。「コロニアル」や「フルベスト」「カラーベスト」といった商品が良く知られています。長持ちし、軽量、加工もしやすいので、カバー工法でも使います。豊富なカラーやデザインもあり、加えて断熱効果も期待できるというメリットがあります。


 

金属系
金属系の屋根材は、軽量かつ加工のしやすいことが特徴です。加工が容易なため、施主が複雑な形の屋根を希望していても対応ができます。一昔前であれば、金属屋根はトタン屋根や銅板屋根が主流でしたが、近頃はアルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板の「ガルバリウム鋼板」という屋根材の利用が増えてきました。耐久性はトタン数倍を誇ります。需要の高まりから、表面をフッソ樹脂塗料で塗布して耐久性を高めたものや、表面に天然石などをあしらってデザイン性を高めたものなど、多くの商品が開発されてきました。また、鉄を使用しない金属系素材としてはアルミ合金がポピュラーです。銅やチタン素材もあります。


 

目安としての屋根塗装・屋根工事の費用と相場


屋根塗装・屋根工事は「50万円以下」「51万円~120万円」「121万円以上」に分かれています。

一般的な屋根の塗り替えはおおよそ50万円~60万円以下が中心となります。屋根のカバー工法による工事は100万円からが多く、「ふき替え」工事は120万円を超える価格帯になってきます。カバー工法やふき替え工事は、使用する屋根材によっても価格は変わります。

 

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