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公共施設が木造化でリニューアル! そこから得られるメリット

2017.11.07

公共施設の多くは鉄筋コンクリート造が主流となっていますが、最近では、公共施設においても木造の建築物が見られるようになりました。木造の建築物は、木のぬくもりによって落ち着いた雰囲気を感じられる魅力があります。

 

それでは、なぜ、公共施設に木造の建築物が採用されるようになったのでしょうか。また、公共施設に木造建築物を採用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

公共施設の木造化を推し進める「木促法」


公共施設は、不特定多数の人々が利用する施設であり、災害時には避難場所として使われるので、耐火性能や耐震性能を高め、建築物自体を強固にすることが求められてきました。そのため、公共施設の多くは、主に鉄筋コンクリート造で建築されているのです。

 

しかしながら、日本には豊かな森林資源がありながら、木材の自給率は低水準にとどまっている状況です。

 

しかも、戦後に植林された多くの木々は十分に育ち、木材として適齢期を迎えており、今後、それらの木々が木材として利用されなければ、若い木が育つ場所も確保できず、森林資源を後世に残すことが難しくなるのです。

 

それらの課題を解決するため、201010月には「公共建築物木材利用促進法(木促法)」が施行されました。同法においては、国や自治体は、公共建築物を建築するにあたり、積極的に木材を活用することを求め、低層(3階建て以下)の公共建築物は、原則的に全て木造とするとうたっています。

 

また、同法においては、公共施設における木材利用の推進が主目的となっており、高い耐火性能を有することが主目的ではないため、建築基準法における防火基準を満たすために、低層の建築物として、延焼を防止し続ける「耐火建築物」としての条件は不要であることを盛り込んでいます。

 

ちなみに耐火建築物とは、火災による火熱がある一定の時間加えられた場合でも、構造耐久力上支障のある変形や破壊などの損傷を生じない建物のことを言います。

 

なお、低層の建築物であっても、災害対策など、緊急時に使用される建築物については木造建築物としないことを定めています。

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地域の森林資源の活用を


公共施設を木造化する際のメリットとしては、地域の森林資源が活用されることです。

 

現状では、戦後に植林された人工林が利用可能な状況にまで成長しているものの、未利用の状況となっています。しかも、人工林自体が放置されているケースも多く見られます。

 

森林は適切な管理をすることで森林の世代交代が行えるのですが、林業従事者の不足に伴い、管理が行き届いていないところも多いのが実状です。

 

そのような状況であっても、公共施設に木材が活用されるようになると、地域で産出される木材が利用されるようになることから、森林資源の活用が期待されます。

 

多様な業種が活性化されるメリットも!


さらに、森林資源が活用されるようになることで、多様な業種が活性化される期待もあります。森林の伐採や運搬と直接的なメリットを受けられるのが林業です。

 

そのほか、伐採後の材木の運搬に関わる林道の整備、木造建築物の建設が増加することから、建設業、製材業や建築業もメリットを受けやすくなります。

 

くわえて、森林資源が活用されるようになると、建築以外の木材利用の拡大も見込めます。

 

建築以外に木材を利用する方法としては、「木質バイオマス燃料」があります。こ屑などの残材をバイオマス燃料として活用することで、森林資源が有効に活用されるだけではなく、二酸化炭素の排出量を抑えることも可能となり、環境保全にも繋がるのです。

 

国や自治体が主導となって公共施設を木造化することで、それに関わる業界の活性化と森林資源の有効活用と環境保全が期待されます。

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