【プラスバイプラスの「シゴトのこだわり」】経営革新・利益拡大・人材確保、全ては「人を大切にすること」から始まる_00

【プラスバイプラスの「シゴトのこだわり」】経営革新・利益拡大・人材確保、全ては「人を大切にすること」から始まる

2017.12.08

【職種 CADソフト販売・サポート・コンサルティング】建設業界またはそれに関連するシゴトに就く人々に、面白さ、魅力、働いてみて大変だったことなどをインタビュー。「リアル」に迫ります!! −vol.12 株式会社プラスバイプラス

インタビュイー:株式会社プラスバイプラス 代表取締役 室田茂樹 さん

 

--まずは、プラスバイプラスさんがどのような事業を展開されているのかを教えてください。

電気・水道・空調・ガス等、設備工事業の方々に向け、業務効率の改善や生産性の向上を促進する『plusCAD』という設備専門CADソフトの販売と、人材育成に関するコンサルティングを行っています。

 

 

--社員の構成はどうなっているのでしょうか?

90人いる社員のうち半数近くが営業です。サポート部では、訪問インストラクターとコールセンターインストラクターの2部サポート体制をとっています。あとは内勤の従業員ですね。営業が販売し、購入後のサポートはインストラクターが行っています。

 

室田氏インタビューカット1

--プラスバイプラスでは、社員の皆さんが和気あいあいとお仕事をされているようですね。

自然とそうなっていきました。本社が大阪にあるのもひとつの要因かもしれませんね。私は「一流の人になりましょう」というビジョンを掲げています。これはビジネスや戦略だけではなく、人としての「思いやり」「ポジティブ思考」「助け合い精神」を忘れずに働こうという意味です。

他にも流儀がありますが、どれも「人」に焦点を当てたものです。誰もがひとりで生きているわけではない、成果はひとりで出すものではない、そんな文化が醸成された結果、仲間同士で自然と助け合える環境になったのだと思います。

 

 

--全社員が集まる会議があると伺ったのですが、どのような会議なのでしょうか?

全国から3ヶ月に一度、全社員を集めて四半期会議を行います。理念の確認、問題提起と解決方法について話し合うグループワークが主です。

 

 

--社員のベクトルを合わせる会議を定期的に開催されているのですね。

そうですね。普段顔を合わすことのない社員も集まり、全員でコミュニケーションをとりながら経営方針やそれぞれの想いを再確認する大切な場です。

こういった会議も含め、楽しく働ける環境があれば「お客様に寄り添いたい」という精神を共有できます。これは顧客目線のサービスを充実させるために重要なことだと考えています。

 

 

取引先は全国で7000社超! ここ5年間で劇的に増えてきた


四半期会議
全国から3ヶ月に一度、全社員を集めて行われる四半期会議(写真提供/株式会社プラスバイプラス)

 

--では、プラスバイプラスのスローガンや行動指針を教えてください。

当社では行動指針をロゴカラーで表現しています。オレンジが「前向行動」、白は「誠実素直」、青は「勉強熱心」です。うちで働くならば、こういう考え方・思考を持った人間でいてほしいというのが理想です。

「自分さえ良ければ他はいい」という考えが、私は嫌いなんですよ。けれど人によって事情や考えは様々ですので、私たちが掲げる指針と社員の考えが合わないこともあります。そんなときは、社員の考えを認めつつ人間的成長を促すような対話を重ねていきますね。

 

 

--プラスバイプラスは全国に支店がありますが、現在何社と取引されているのですか?

現在は全国で7000社を超えています。年間400社程度新規契約をいただいています。5年ほど前から劇的に増えました。

 

 

--5年前に分岐点があったのですか?

売上目標を高めたことが要因です。『すごい会議』(※1)というサービスを導入した影響が大きいですね。現在抱えている問題を特定し解決するセッションを受け、もっと売上を伸ばせるだろうと。それがちょうど5年前になりますね。

※1……すごい会議とは「一般社団法人すごい会議」が運営する、組織改革を狙いとしたセミナー活動。米国スタイルの方法論を取り入れ、問題解決や人材育成など「組織が抱える悩み」について様々な会議の手順(型)と仕組み、それを活用する方法を提供する

 

 

--そういったサービスの導入で、実際に大きな効果が出たのですね

はい。「我々ももっと大きな目標を掲げたほうが良いのではないか」「自分の殻を破り新しい世界を見よう」と思うようになりました。

 

室田氏インタビューカット2

--では、室田様ご自身のキャリアを教えてください。

学生時代は遊んでばかりで、結局26歳で大学を中退しました(笑)。今後どうしようかと『ハローワーク』に行ったら「君もITの営業マンにならないか」というセリフに惹かれて現在と同じ職種の会社に入りました。

その前職では営業マンとして入社したのですが、商品を売れば売るだけお金が入る、要はインセンティブが支給される会社でした。バブル崩壊直後だったこともあり「とにかく数を売って利益を出す」という経営方針だったように思います。

商品自体に問題はなくても、サポート体制が不安定な状況だったので半年、1年後にはクレームになるようなこともありましたね。

「これからどうなるのだろう」と不安に思っていたときに、当時の常務から「独立するから一緒に来てくれ」と誘われました。2000年にその常務と共に、前職で学んだことを反面教師にして立ち上げたのがプラスバイプラスです。

 

 

--前職ではクレームが多かったとのことですが、現在はいかがですか?

もちろんお叱りもありますが、質が全く違います。売るだけだった会社では「お前の会社は嘘つきだ」「売りっぱなしだ」とよく言われましたが、今は商品の機能に対するご意見なので、私たちとしてはクレームというよりも改善のために必要なお言葉をいただけたと思っています。

もちろん感謝のお言葉もたくさんいただきますが、厳しい意見も今後に繋がるよう、明確にいただくようにしています。

 

 

--プラスバイプラスでは、購入後のサポート体制にはどの程度力を入れているのでしょう?

かなり力を入れていますね。営業2人分の契約に対し、訪問インストラクターが1人付帯する人員配置をしています。この2:1の割合ならば、商品を有効活用してもらうためのサポート体制が作れます。実際のところ、サポート人員をここまで割いている同業他社はないと思いますよ。

 

 

「お客様に満足していただけるまでインストラクターが付き合うのが当社の強み」


室田氏インタビューカット3

--お客様に満足してもらえる理由はどこにあると思いますか?

お客様がplusCADを導入してまず喜んでくださるのは「時間が短縮できた」「業務効率が上がった」という部分です。満足していただけるまでインストラクターが付き合うのが当社の強みです。

plusCADを初めて使うお客様の場合は、必ずインストラクターが訪問して説明します。細かい操作に関しては電話で対応しますし、電話でも解決できない場合は訪問サポートをしています。

 

 

--プラスバイプラスが、設備に特化したCADを販売している理由を教えてください。

前職の経験を活かせることと、ニッチだからこそ勝算が高いと確信したからですね。この業界では、職人さんにソフトの機能を細かく説明する営業マンがいますが、丁寧に説明したからといって「実際使いたい」と思ってもらうのは難しいことです。

しかし前職のおかげで「職人さんが困っていることはこれ」「このやりかたが便利」という現場の実情を知っているので、入っていきやすい分野でした。会社の立ち上げに関わった人間が、経営理念上あれこれと手を広げていくことを好まなかったというのもニッチ産業に特化した理由のひとつです。

 

 

--経営規模を拡大していく中で、苦労したことは何でしょう?

会社が潰れる理由を知っていたので、設立当初はとにかく潰さないよう頑張っていました。あとは、お客様と寄り添うバランスが難しかったですね。利益を出そうとするとお客様の方を向けない、お客様の方を向きすぎてしまうと利益がでない……。この戦いでした。

 

 

--「plusCAD」を、どういう人におすすめしたいですか?

「とにかく時間がない」「正確な見積りを出したい」「ソフトを簡単に使いたい」という方ですね。営業をしないといけない、現場も見に行かないといけない、あの書類もこの書類も……と、とにかく忙しいかたが多いと思うんです。

一人親方や10人前後の規模の会社では特にそうでしょうね。日々目の前の仕事に追われていると、そういった悩みまでたどり着けないことがあります。

だから私たちも、困っていると言われて営業に行くのではなく「この商品を使ってこうしたら、こうなりませんか」という提案型営業を行っています。

 

 

「『お客様のためになる営業力』が、私たちにはあります」


プラスバイプラス集合写真
(写真提供/株式会社プラスバイプラス)

 

--競合他社との違いはどこにあると思いますか?

OA機器メーカーと組んでCADソフトを販売している会社がほとんどです。実際のところ、うちは競合他社に嫌われていますよ(笑)。直販であることや、営業手法の毛色が違うからですね。

でも私たちからすれば、他社に嫌われることで得をする部分もあります。「プラスバイプラスの営業はずっと居座るよ」なんて言われることもありますが、それは売りつけて終わりではなく、サポート体制が充実している証拠でもあるんです。

説明型営業マンとは違う「お客様のためになる営業力」が私たちにはあります。私たちの目標は「お客様の新たな未来を作ること」であり「機能を完璧に説明すること」ではありません。

「こんなことができるんだ」「効率が良くなったな」とお客様にメリットを感じていただくことや、課題の解決に繋がる手助けをさせていただいているつもりです。

 

 

--他にアピールポイントがあればお聞かせください。

サポート費用が発生しない、というのが他社との違いです。そしてうちの場合、説明書ではなく人が対応します。ソフト業界では非常識なやりかただと思いますよ。サポート代や保守料をいただくのが常識ですから。また、当社は職人さん向けに朝8時から夜10時まで電話でサポートしています。

 

 

--それは職人さんにとってありがたいサービスですね。営業でのこだわりや強みは他にもありますか?

営業に関しては圧倒的に「スピード」が強みですね。「人が1年間で得るものを我々が3ヶ月で得るにはどうしたらいいか」を考えると、有益なことと無駄なことが洗い出せます。

例え話ですが、お金に焦点を当てるのが1番わかりやすいので「年収1千万円欲しい」と思ったとしましょう。当たり前ですが、1千万円を1年で稼ぐから「年収」と呼ぶわけです。その1千万円を3ヶ月で稼ぐにはどうしたらいいのか、という発想の転換がポイントなんですね。

それを年収ではなく実際の営業という仕事に置き換え、スピードを変えることによって違いを生み出すためには何をすればいいかを営業担当に考えてもらいます。

私個人としては、社員に対しても、お客様に対しても「相手の話をしっかり聞くこと」「相手の立場になって考えること」が大切だと思っています。

 

 

建設業とは少し違った形態の会社だからこそ、建設業界に提案できることがある


室田氏インタビューカット4

--では今後、室田様が目指していることを教えてください。

まずは、建設業全体に向けた多様なソフトを増やしていきたいと思っています。図面を書くためのCADだけではなく、一元管理するようなソフトを作っていきたいですね。それと、今後は建設業に特化した評価の仕組や人材育成のコンサルティングに力を入れたいと考えています。

 

 

--プラスバイプラスの場合、建設業界では特殊な立ち位置だと思いますが、建設業界全体についてはどうお考えですか?

人とお金の関係は建設業界にとって大きな課題なので、評価制度の導入や、離職率を下げる対策が必要だと思っています。あとは、問題解決セッションという形で職人さんに会議の場を提供したいです。

悩みを相談し合ったり、一流の職人になるための意見交換・情報交換を気軽にできる機会ですね。私たちはソフト販売という、建設業とは少し違った形態の会社ですが、だからこそ提案できることもありますし、人材教育にも自信があります。

 

 

--そういった目標が、『TEAM SUSTINA』への加入や『建設職人甲子園』(※2)への参加に繋がるのでしょうか?

正直なところ会社の売上拡大や従業員の採用は現在のマーケットで足りている状態です。私にとってこういった活動は、真剣にこの業界を盛り上げたいと思う人に賛同し、仲間になりたいという想いからきているものです。だから異業種だとか、ソフト屋だという認識を持ってほしくないんですよ。

たまたま建設業界に関わった人間ですが、その中でやりたいこと、やっていかなければいけないことがたくさん見えてきました。今は、建設業界に関わる企業の成長を支援したいと思っています。

こういった活動に全社員が賛同しているとは思いません。会社の売上に直接関わる活動ではありませんからね。そういった部分も時間をかけて一枚岩にしていくのが私の役割だと考えています。

※2……建設職人甲子園とは建設業界で働く職人にスポットを当てたイベント・セミナー。建設業界の価値を再確認し、向上心を高めるための大会があり、毎年多数の企業で賑わう

 

 

−−なるほどです。プラスバイプラスのこれからが楽しみですね。本日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。

 

■企業データ
社名:株式会社プラスバイプラス
創業:平成127 
本社所在地:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスENT 18F
従業員数:90名
代表者:室田 茂樹
事業内容:パッケージソフトの開発・販売・サポート・コンサルティング、職業別生涯学習・通信教育事業、インターネットビジネスの企画・開発・運営
メンバーページ:株式会社プラスバイプラス(Page1 Page2)

取材・写真協力=株式会社プラスバイプラス
取材・文=平原和貴子

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