一人親方の労災保険特別加入制度、そのメリットと選択肢!_00

一人親方の労災保険特別加入制度、そのメリットと選択肢!

2017.04.24

例えば、バスケットボールで試合時間残り7秒、前方はどフリー、点差は1点、この状況で敢えて難易度の高いスリーポイントシュートを打ちにいきますか? 「リスクを取る」ことを否定はできませんが、無駄に選ぶことはオススメしません。この場合、点差と時間を考えれば、それよりもゴール下まで行って確実な2点のシュートする方が、安心・安全です。

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写真の男性のダンクシュートはあえなく不発に終わりそうな気配プンプンですが……、それは1つの判断(ダンクなのか普通にシュートするのか)の結果。結局のところ、建設業従事者に限らず、社会人はさまざまな選択を求められます。

 

では、一人親方です。彼らは建設現場などのケガを負ったり、事故にあったりしやすい場所で働いているにも関わらず、万が一の際は、一切の補償を受けられないというリスクの高い立場に置かれている人が少なくない現実が見られます。これもリスクを下げられる選択肢があるなら、それに越したことはありませんよね。

 

そこで今回は『労災保険特別加入制度』という彼らの味方となる制度と、何をどのように判断して加入すれば良いのかを伝えていきます。


「もしものとき」に備えて!


建設業などの職人の場合、そのキャリアは「見習い、職人、一人親方、親方」の順にステップアップしていくのが普通です。ここでいう職人とは親方から雇われた従業員であり、親方は企業の社長に相当します。

 

しかし、一人親方は親方から独立はしたものの、自分自身が雇用している従業員はなく、かといって、会社からの庇護もないという中途半端な立場です。したがって、ケガをしても労災は下りませんし、代わりに働いてくれる従業員もいません。もしものときの保証はないわけです。そこで、ぜひ利用を検討してほしいのが一人親方の『労災保険特別加入制度』。

 

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各地にある特別加入のための団体! 3つのタイプの特徴


 

一人親方の労災保険特別加入制度を利用するためには、そのための団体に加入しなければなりません。この団体は各地に数多くありますが、選択の際には注意が必要です。

 

労災そのものは国が運営しているため、補償内容はどこでも同じなのですが、団体によっては出費額やその他の手間に大きな差があるからです。労災保険の特別加入団体は大きく3つのタイプがあります。

 

昔ながらの業界団体
「○○土建組合」とか「××事業連合会」などといった名前がよくついています。こういったタイプは労災保険の特別加入制度以外にも、国保や共済などいった具合にメニューが豊富ですが、その分会費は上がります。

 

社労士に依頼して加入する事務組合の団体
社労士がバックにいるので専門知識を要する手続きについては安心感がありますが、社労士に手数料を払わなければならないため、こちらも費用はかさみます。

 

インターネットで加入者を募集しているタイプの団体
なるべく安く加入したいと思うのであればこのタイプがおすすめです。ただし、直接顔を合わせることがないので、団体の労働保険番号を調べて各都道府県の労働局にその団体が実在しているかどうかを問い合わせるなど、信用できる団体か否かの事前調査はやっておくべきでしょう。

 

一般の労働者と同じ恩恵を受けられる! 一人親方の労災保険特別加入のメリット


労災保険に特別加入すれば、一人親方も一般の労働者と同じ恩恵を受けられるようになるのです。例えば、仕事中にケガをしても自己負担なしで治療が受けられます。また、治療を終えて仕事に復帰するまでの間は、給付基礎日額に応じた休業補償があるのも大きなメリットです。

 

もちろん、障害が残った場合は、障害の程度に応じた障害補償がありますし、万が一、死亡した場合でも、遺族の人数と給付基礎日額に応じた遺族補償が支払われます。

 

現場だけでなく、出勤途中に事故にあったようなケースでも補償が受け取れる点も一般の労働者と同じです。仕事を発注する元請け会社の方も、労災保険の特別加入をしている一人親方の方が安心して仕事の委託ができるわけであり、そういう意味では、労災保険に特別加入することは仕事の機会を増やすチャンスにもなります。

 

反対に、企業によっては労災に加入していない一人親方は作業現場への立ち入りを禁止しているところも多く、それを考えると、やはり、労災保険の特別加入は行っておいた方が賢明でしょう。

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特別加入の気になるポイント! 必要な費用と対象となる職種


労災保険の特別加入には、さまざまなメリットがあることが分かりましたが、気になるのはそれに必要な費用や加入条件です。まず、費用ですが、年間保険料は給付基礎日額に基づいて算出されます。

 

例えば、建設事業の一人親方の場合、給付基礎日額に365を掛けてその数値にさらに、0.019を掛けた値が年間保険料になります。給付基礎日額が10,000円なら年間保険料は69,350円ですし、給付基礎日額が25,000円なら年間保険料は173,375円になります。ただし、特別加入をするには年間保険料の他に、団体に支払う会費が別途必要です。

 

金額は団体によって異なりますが、目安としては業界団体が年間費用5万円から6万円程度、事務組合なら2万円から3万円程度、インターネット系の団体なら1万円から2万円程度といったところです。

 

また、特別支給の対象となる職種は、代表的なところでは大工、とび、電気工事、配管工事、造園工事などがあります。しかし、その他にも、工作物の建築、改造、保存、修理、解体もしくは破壊などの仕事に従事している者及びその家族従業員であれば、すべてが対象となります。

 

意外な注意点! 過去の業務歴によっては必要となる健康診断


労災保険の特別加入をする際、過去に特定の業務を行った経験がある人は、健康診断を受けなければなりません。例えば、粉塵作業を通算で3年以上行った人はじん肺健康診断を受ける必要があります。

 

その他にも、鉛業務を通算6カ月以上行っていた人は鉛中毒、振動工具使用業務1年以上行っていた人は振動障害、有機溶剤業務を6カ月以上行っていた人は有機溶剤中毒の健康診断がそれぞれ必要になります。

 

健康診断を受けた後、その結果次第で、労災保険の特別加入が認められなかったり、制限されたりする場合があるので留意しておかなければいけません。

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