使えるものは末永く利用! 建物の再生に関する取り組みについて_00

使えるものは末永く利用! 建物の再生に関する取り組みについて

2018.01.22

高度成長期の都市化に伴って、社会インフラの整備が進められたほか、数多くの建築物が作られました。しかし、高度成長期から約50年が経過した現在では、建築物の老朽化が問題となっています。


 


文化・歴史的価値のある建築物以外の「古くなった一般建築物」には価値を見いださない傾向もありますが、建築物の老朽化問題を解決するためには「利用できるものは利用する」という発想が大切です。


 

 

建物老朽化の現状について


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では、建物の老朽化の現状について調べてみましょう。


 


国土交通省のデータによると、高度成長期である1960年代から1970年代の前半にかけて数多くの建築物が建設されました。1970年代前半には、年間の着工建築物の床面積が25000平方メートルを超えるほどだったのです。


参照元:国土交通省 課題の要因となる背景、課題に対する取組み事例等について


 


この時期は、日本住宅公団や宅地開発公団(いずれも、現在はUR都市機構)による大規模なニュータウン開発が行われ、各地で住宅建設が盛んでした。しかし高度成長期から50年が経過した今では、当時建設された住宅の多くが老朽化しています。


 


年間の着工建築物の床面積は、1970年代後半から2000年に至るまで、2億から25000平方メートル前後で推移しており、今後も築50年を超える建築物の増加が見込まれることから、老朽化した建築物に対する対策が求められます。




 

「予防保全」で建築物を長寿命化


建物の老朽化を少しでも食い止めるためには、建物の耐用年数を事前に考慮し、計画的な修繕を実施する「予防保全」が有効です。予防保全の対義語は、建物の一部分が完全に損傷したあとに修繕する「事後保全」です。

 

予防保全と事後保全を比較すると、修繕の頻度は事後保全の方が少ないことから、長い目で見た場合、事後保全の方が費用を抑えられるように感じられます。

 

しかし、事後保全の場合は、損傷の規模が予防保全よりも大きく、多額の費用がかかってしまうことがほとんどです。さらに、予防保全を行わずに建築物を放置しておくと、古くなった部分が突然崩れ、住人や通行人が巻き込まれる可能性もあります。

 

このような状況を防ぐためにも、建物の定期的な補修を行う「予防保全」が重要となるのです。

 

 

「再築住宅」の活用は、環境にも財布にも優しい


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既存の建物を有効活用する方法として「再築住宅」があります。これは、古い住宅を解体した場合に排出される建築資材のうち、利用できる建築資材を活用して建築される住宅のことです。

 

再築住宅は、主に古民家で見られる形態ではありますが、最近では住宅メーカーの主導により再築住宅が建設されるケースがあります。

 

再築住宅のメリットは、建築資材を再利用するため建築廃材の排出量を少なくできることと、住宅の価格自体を安く抑えることができる点です。古い住宅の建築資材を再利用することができれば、古い住宅自体が有効活用されることも期待されます。


 

 

新築住宅を好む発想から、住宅を末永く利用する発想へ


諸外国と比較すると、日本は住宅の建て替えサイクルが早い傾向にあります。しかし、一度建てた住宅はできるだけ長期間使い続けたいものです。


 


住宅の定期的な修繕、古い住宅の再利用など「使えるものは末永く使い続けていく」という考えかたが、今後さらに必要となってくるでしょう。

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