地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう_00

地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう!

2017.12.07

日本は世界的にも地震が多く、時には甚大な被害をもたらすほどの大地震が発生することもあります。

地震の際に発生する被害としては、揺れによる建物の倒壊や火災、津波による被害などがありますが、海に近い地域では、地盤の液状化が発生する場合があります。『東日本大震災』の時にもこの液状化現象が起きています。

 

液状化現象においては、固いはずの地盤が液状になり、建物が沈下したり、場合によっては倒壊したりするなど、大きな被害をもたらすことがあります。

 

液状化の被害から建物を守るには、どのような方法があるのでしょうか。

 液状化被害例2

液状化現象が発生するメカニズムとは?


大地震が発生した場合には、液状化現象が発生しますが、液状化現象はどのようなメカニズムで発生するのでしょうか。

 

液状化現象は、地盤が砂であること、また、地表面から比較的浅い場所に地下水が含まれていることが要因に挙げられます。そのような条件の場所において大きな地震が発生すると、液状化現象が発生しやすくなるのです。

 

地下水が含まれる砂の地盤に大きな揺れが加わると、単に砂の地盤が揺れるだけではなく、地盤に含まれる地下水も揺さぶられる。地下水は地盤全体の変形によって周囲の砂から圧力を受け、地上へと噴き出そうとするのです。

 

液状化現象においては、地震の揺れと地下水が砂の地盤に浸透して液状化が起こるのです。

 

液状化現象を事前に防げるのか?


それでは、液状化現象による建物の被害を防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか。

 

液状化現象を防ぐために用いられている工法としては『サンドコンパクションパイル工法』があります。

 

この工法では、液状化現象が生じる可能性がある地盤に、砂や砕石などを圧縮することによってつくられた「砂杭」を地中に複数本に打ち込みます。

 

建物の基礎となる部分に砂杭を地面に複数本打ち込むことにより、砂杭と砂杭の間にある砂には、砂杭からの圧力が両側からかかるため、砂杭を打つ前と比較すると地盤が安定します。それによって水の浸透が抑えられ、液状化現象を防ぐことができるのです。

 

また、サンドコンパクションパイル工法において砕石の割合を増やすと、地震が発生した場合に地下で圧力がかかった地下水は、砕石の杭の部分を通過して地表面に上昇しようとするので、地震時において効率的に地下水を排出させることができ、液状化現象を防ぎやすくなります。

 

そのほか、液状化対策の工法としては、地表から3m以下までの範囲をセメントなどで固めて地盤改良をする方法などがあります。

 液状化被害例3

液状化で沈下した建物は戻せる?


液状化現象が発生したときに問題となりやすいのが、地盤が沈下し建物に傾きが生じてしまうことです。建物が傾いた場合は、どのようにして建物を元に戻すのでしょうか。

 

液状化現象による建物の傾きを直す方法としては、『硬質ウレタン注入法』があります。この工法は、建物の傾きが5cm程度で、基礎が全てコンクリートで覆われた「ベタ基礎」の場合に有効となります。

 

作業は、建物の床下に潜り込んで行われます。液状化によって地盤が沈んでしまった部分にウレタン樹脂を注入することにより、傾いたベタ基礎が持ち上げられ、基礎を水平の状態に戻すことができます。

 

しかし、基礎の傾きが大きい場合や、基礎がベタ基礎ではなく、壁の下にだけ基礎が配置されている『布基礎』と呼ばれる基礎構造の場合は、ジャッキの力を活用した『アンダーピニング工法』が用いられます。

 

この工法では、基礎が大きく傾いた状態を立て直すため、基礎の下の土を掘って杭を打ち、杭の上にジャッキを設置してジャッキアップを行い、傾いた基礎を立て直します。基礎が水平に戻ったら、杭とジャッキがセットされた状態で、掘り起こした土を元に戻します。

 

これにより、基礎の下には杭が打たれていることになるため、基礎の沈下を防ぐことができるのです。

 

この他にも『モードセル工法』や『耐圧版工法』などがあり、傾き修繕の費用的には200万~800万程で条件により変動することもあります。

 

日本は海で囲まれているため、地震が発生した時に液状化現象が起こる可能性は高いと言えます。液状化現象による被害を軽減するために、さまざまな工法が開発されているので、備えをしておくことで地震による被害を抑えることが可能になるのです。

関連記事

地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう_00

【佐藤組の「シゴトのこだわり」 解体工事】建物はみな違うから、杓子定規の壊し方もない。 都度ゼロベースで考え、実行

【職種 解体工事】建設業界またはそれに関連するシゴトに就く人々に、面白さ、魅力、働いてみて大変だったことなどをインタビュー。「リアル」に迫ります!! ーvol.10 株式会社佐藤組ー

地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう_00

【シゴトのこだわり 04 スプリンクラー工事】「人命と財産を守るため、作業と確認を徹底する」

建設業界の仕事の面白さ、働いてみて大変だったことなど、「リアル」に迫ります。 ーー【vol.04 スプリンクラー工事】「人命と財産を守るため、何手も先まで考え抜いて作業と確認を徹底する」。

地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう_00

あなたの対処法は大丈夫? 救急救命士に聞く“本当の応急処置”(内装業編)

緊急時の対処法のプロである東京消防庁の救急指導課の方に、内装業に多いケガのケースとその応急処置の方法を教えていただきました。

地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう_00

しっかり安全試験されています。マストアイテム「ヘルメット」!!

建設現場で、頭を保護し、リスクを軽減するのに役立つヘルメット。今回はそんな建設業に置けるますとアイテムの、特徴や機能とその長所・短所、そして流通する前に行われている検査方法などについて紹介します。

地震の被害であなどれない「液状化現象」 その原因と対策を知ろう_00

リノベーションによって耐震強度を高めることはできるのか?

地震の多い我が国では、大地震はいつ起こるか分かりません。リノベーションを計画する際にも耐震強度についてもよく考えたいところです。

おすすめ記事(PR)

【プラスバイプラスの「シゴトのこだわり」】経営革新・利益拡大・人材確保、全ては「人を大切にすること」から始まる_00

【プラスバイプラスの「シゴトのこだわり」】経営革新・利益拡大・人材確保、全ては「人を大切にすること」から始まる

【職種 CADソフト販売・サポート・コンサルティング】建設業界またはそれに関連するシゴトに就く人々に、面白さ、魅力、働いてみて大変だったことなどをインタビュー。「リアル」に迫ります!! −vol.12 株式会社プラスバイプラス−

2017.12.08

【菜花空調の「シゴトのこだわり」 設備工事】手がけるもの全てが造形物であり、作品。完成形を眺めるのが楽しい _00

【菜花空調の「シゴトのこだわり」 設備工事】手がけるもの全てが造形物であり、作品。完成形を眺めるのが楽しい 

【職種 設備工事】建設業界またはそれに関連するシゴトに就く人々に、面白さ、魅力、働いてみて大変だったことなどをインタビュー。「リアル」に迫ります!! ーvol.11 株式会社菜花空調ー

2017.09.15

特集

安い・簡単・高クオリティと噂のCADツールに敏腕編集部員のこのオレがフリーハンドで対決を挑んでみた_00

安い・簡単・高クオリティと噂のCADツールに敏腕編集部員のこのオレがフリーハンドで対決を挑んでみた

今回、素人でも使えてWEBで簡単に住宅のCAD設計ができるツールがあると聞き、「そんなもんより俺の方が上手く書けるし」と思ったサスマガ編集部員が、フリーハンドで速さ、綺麗さ勝負を挑んでみました。

2017.11.27

ワイルドな働き方すぎて、匂いケア忘れてませんか?_00

ワイルドな働き方すぎて、匂いケア忘れてませんか?

「仕事なんだから男なら、匂いとか、細かいことは気にしない」なんて、ワイルドすぎる働き方をしてませんか? ただ、何かにつけて「ハラスメント」になってしまう世の中なので、これは是非とも気をつけたいところ。そこで今回は、匂い対策を紹介します。

2017.04.12

ランキング

「格闘家」だけを雇用する会社『(株)逸鉄』が「建設業×格闘技」で日本人職人の育成を目指す【趣味・スポーツ × 建設業】_00

「格闘家」だけを雇用する会社『(株)逸鉄』が「建設業×格闘技」で日本人職人の育成を目指す【趣味・スポーツ × 建設業】

格闘家を従業員として雇用する工務店『(株)逸鉄』。従業員5名は全員が「ブラジリアン柔術」と呼ばれる、寝技を主とした、組み技系の格闘技に取り組んでいる。同社はなぜ、格闘家ばかりを雇い入れたのか?

2017.06.26

【現場1日体験vol.1】道路舗装に1日密着したら、そこには「男たちのカッコイイ仕事」があった。_00

【現場1日体験vol.1】道路舗装に1日密着したら、そこには「男たちのカッコイイ仕事」があった。

建築・土木・大工・左官など29種類の建設業界に存在するさまざまな業種の仕事を1日体験し、その仕事内容や様子を伝えていきます。

2017.02.01