大工たちが受け継いできた技「墨付け」「手刻み」とは_00

大工たちが受け継いできた技「墨付け」「手刻み」とは

2019.02.25

材木店などによるプレカット加工が主流になる以前の木材の加工は、大工による「墨付け」と「手刻み」によって行われていいました。ここでは主に、その「墨付け」がどういう技術であり、現代においてはどのような立ち位置にあるのかを説明します。

 

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かつての建築では「非常に重要」だった墨付け、手刻み


「墨付け」とは、材木を木組みするために凹凸をつけて加工するときに必要な目印をつけることです。その目印に沿って「仕口」「継手」を作っていくことを「刻み」と呼びます。

墨付け・刻みの作業は、建築現場ではなく主に大工職人の作業場にて、前もって行われてきたのです。

そうして加工された材木を組み立てて、日本の家は建てられてきましたので、この墨付けの部分にミスが生じると家を建てることができなくなってしまっていました。つまり、墨付け作業は非常に重要な工程だったのです。

 

 

大工職人の経験・知識を総動員して墨付けをしていた


冒頭に述べた通り、近年の建築ははプレカットの材木が主流となってきています。プレカット材木の場合は工場から、機械で加工された木材が納品されます。つまり、大工職人がこうした作業を行う必要がない、または、こうした技術を有していないということも少なくありません。

墨付けを行う場合、その前に大工職人がどの木材を、どこに使うか(土台や梁)、どのように使う(木の反りや癖などを予測して)かなどを職人の知恵や経験を基に判断するような工程を踏んでいたのです。

プレカット材木の場合はこうした作業は行わず、画一的に作られているため、家が建ってから数年経ったときに経年変化が見られるようになると言う見方もされています。

しかし、プレカットの技術も登場から20年近く経っていて、その技術も高くなっています。プレカット材木の使用により工期や人件費の縮小につながることは間違いありません。

大工職人は材木を組んでいくときに、仕口や継手を使いますが、それにはたくさんの種類があり、それら一つひとつは大工職人が強く組むために適した方法を選択してきました。

そうした数ある継手や仕口の中には、複雑な加工が施されているものもあり、プレカットでは再現できない仕様もあります。そうした仕口・継手を作るにはやはり大工職人が知識・経験を基にした墨付けから手刻みを行うしかありません。

 

 

将来を見据えた大工技術の習得を心がけよう


墨付けや手刻みで加工された材木も、プレカット材木もそれぞれにメリットはあり、何を選ぶのかはお客様の要望に従うところが大きいと言わざるを得ません。

前述のようにこうしたこ技術を持った大工職人さんは目に見えて少なくなってきましたが、リフォーム工事などの際、こうした墨付け、手刻みの手作業による大工技術が使えた方が、幅広い応対ができるようなケースもあります。

大切なのは何事も需要に沿ってサービスを提供していくべきだということです。墨付け・手刻みで作った家が良いというお客様に対応するのであれば、技術がなければ元も子もなく、だからと言ってそれが年に1回・2回のオーダーなのであれば、墨付け・手刻みの技術を極めるという行為は決して生産性が高いとは言えません。

これからの大工職人は墨付けや手刻みのような伝統的な技術を重んじるのか、近代的な工法に特化していくのか、いずれもバランス良く技術を身に付けるのか、どういう大工職人であるかを求められていきます。自らの将来像を踏まえて、良く考えてみてください。

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