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職人不足に悩む建設業界 就業者数のいま

2018.05.10

少子高齢化が進む日本では、職種問わず人手不足が問題になっています。建設業界も例外ではなく、特に「若い世代がやりたがらない」「職人が高齢化している現状」が浮き彫りになっています。

 

なぜ若い世代は建設業界に魅力を感じないのでしょうか。

 

 

データで見る建設労働者数


状況を把握するために、実際のデータを参照して建設労働者数の現状を確認してみましょう。

 

国土交通省は2016年3月に「建設業を取り巻く情勢・変化 参考資料」を発表しました。

 

参照元:国土交通省 建設業を取り巻く情勢・変化 参考資料

 

「建設業就業者の現状」の項目を参照すると、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに年々減少傾向にあり、2015年には500万人となっています。それに加え、55歳以上の労働者が3割を超えているのに対し、29歳以下の労働者はわずか1割にとどまっている状況です。

 

55歳以上の労働者の多くは今後退職の時期を迎えることから、このまま若い世代の建設業界離れの状況が続くことが予想され、人手不足問題はより深刻な状況となりかねません。

 

 

建設業界の問題 休日が少ない


若い世代が少ない原因のひとつとして「休日が少ないこと」があげられます。多くの業界で週休2日が定着している中、建設業界では週休1日の企業が多い状況です。週の休みが1日しかない理由は、建設業界における競争が激しく、建設物の納期が短期間に設定されているためです。

 

企業は「他社に勝つためには、納期を短縮してでも受注したい」と考えますが、そのしわ寄せが現場で働く人にのしかかってしまう状況です。

 

若い世代に限らず、週休2日の企業と週休1日の企業があれば、週休2日の企業を選ぶのが自然な流れではないでしょうか。

 

 

建設業界の問題 きつい割には給料が少ない


他にも「きつい仕事をしている割には、給料が少ない」という原因が挙げられます。

 

建設業界は「体力を求められる仕事であること」「気温や天候に関わらず、屋外で仕事をしなければならないこと」「職種によっては高所での作業を行い、危険と隣り合わせであること」など厳しい状況で仕事を行わなければなりません。

 



 

それほどきつい仕事でも、建設業は仕事量に対する給料の割合が良いとは言えません。厚生労働省が発表した「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、建設業(男性)の年間賃金は、平均348万2000円でした。

 

参照元:厚生労働省 平成28年賃金構造基本統計調査 産業別にみた賃金

 

他の業種と比べても、建設業の賃金は平均的な位置づけとなっています。

 

しかし、金融業や保険業、教育学習支援業のように年間賃金が400万円を超える業種があることを考えると、建設業界は「仕事の内容に見合った給料」とは言い難い状況です。

 

 

災害時に活躍 重要な役割を担う建設業


仕事内容や休日・賃金の面から見ると、若い世代が敬遠するのは仕方ないことなのかもしれません。しかし、建設業はなくてはならない業種であることを忘れてはなりません。それは、災害時に発揮する力です。

 

災害時には土砂崩れが発生したり、道路が寸断されたりすることがありますが、それらの復旧を率先して実施するのが建設業です。地震や土砂災害が多い日本では、建設業が社会的に重要な役割を果たし、信用を得やすい業種であると言えるのです。

 

つらいイメージが先行しがちですが、職人さんたちが果たしている役割を認識すると、社会になくてはならない業界であると理解できるでしょう。

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