防水工事の種類と工法の特徴_00

防水工事の種類と工法の特徴

2019.02.14

「ウレタン防水」「シート防水」「アスファルト防水」「FRP防水」、防水工事を大別すると、この4種類となります。この4種類の中に、異なる特徴を持った工法が存在するのです。まずは目安となる工事費用や、それぞれの耐用年数を知りましょう。

※ここに紹介する費用は同一面積あたりのものです

 

防水工事の工法一覧



ウレタン防水・通気緩衝工法


耐用年数 13~15年程度(5~10年毎にメンテナンスが必要)
工事費用 5,500~6,500円

通気緩衝シートを張り付けたのちに、ウレタン防水材を塗布する防水工事です。防水層は下地に密着させません。通気性があるので耐用年数が長く、雨漏り防止の効果もある工法です。

屋上や開放廊下、ベランダ、ルーフバルコニーなど多様性のある施工が可能です。また、伸縮性も持ち合わせているので、地震などの揺れに強い材質でもあります。安全かつ信頼性の高い工法である反面、正しい技術と知識を身につけた職人にしかできない工法でもあります。

メリット
・補修が容易で、下地の形が複雑であっても対応しやすい
・継ぎ目が見えない均整の取れたな仕上げが可能
・通気緩衝シートは膨れを予防し、地震等で下地に変化が起きてもそれを緩衝ないしは高い耐久性を見せる
・軽量な防水層は建物への負荷をあまり掛けない

デメリット
・コストが割高
・各工程に乾燥期間を設けるため、工期がやや長め
・5~10年間隔程度でトップコートが必要になる

 

 

ウレタン防水・密着工法


耐用年数 2~5年程度(5~8年毎にメンテナンスが必要)
工事費用 4,500~5,500円

ウレタン防水材を塗って、下地に防水層を完全密着させます。補強布にウレタン防水材を塗り、それを2層、3層と重ね、所定の厚さに仕上げていきます。防水層は2mm以上の厚さが必要で、加えて硬さも配慮しなければなりません。

短い工期で、費用対効果も高い工法ですが、密着工法の特性上、通気性に乏しいため、下地に含まれた水分に影響を受けることがあります。膨れや破断の原因となり、雨漏り対策に適していません。

メリット
・コストは比較的安価
・軽量な防水層は建物への負荷をあまり掛けない
・複雑な箇所に応用性が高い

デメリット
・各工程に乾燥期間を設けるため、工期がやや長め
・均一な塗膜を形作るのが難しい
※均整をとるため、ガラス繊維のメッシュシートを使って補強する場合もある
・5~8年間隔程度でトップコートが必要になる

 

 

塩ビシート防水・機械固定法


耐用年数 15年~20年程度(15年以上メンテナンスフリー)
工事費用 5,500~7,500円

入隅コーナー部、防水の端末部分にドリルでシート鋼板を固定して塩ビシートを接合する工法です。シートは躯体に接合しないので、躯体の亀裂や振動、目地の挙動などの影響はほとんど受けません。

下地の撤去作業がいらず、調整もほとんど必要ないので、改修工事に向いています。溶着剤ないしは熱風で瞬時に接合させるので、長期間安定した接合面が保てます。絶縁工法によって水蒸気が分散するため、部分的な膨れの発生もないのです。

メリット
・既存の防水層がどのような防水層であっても上からシートを被せて施工できる
・下地の撤去作業や残材の処理、新規の下地作りや雨養生などにかかるコストを削減できる(被せ工法の場合)
・雨などの天候に左右されずに施工が可能。工期短縮にもつながる

デメリット
・ゴムシート防水よりもコストが高い
・施工の際に振動や騒音が発生するため近隣への影響を考えなければならない
・複雑な形状の箇所への応用性は低い

 

 

塩ビシート防水・密着工法


耐用年数 10年~15年程度(10年以上メンテナンスフリー)
工事費用 4,000~5,000円

接着剤などで塩化ビニール樹脂の防水シートを貼り付けていく工法です。平らではない下地の場合には、施工することが難しくなることもあります。

下地の撤去作業も必要ないので、改修工事に向いています。また比較的短い工事期間で仕上げることができます。通気性に乏しいため、下地の影響を受けやすいところがあります。

メリット
・ゴムシート防水よりも耐久性に勝る
・軽量かつ施工もしやすい
・火に強い

デメリット
・ゴムシート防水よりもコストが高い
・複雑な形状の箇所への応用性は低い

 

 

ゴムシート防水(密着工法)


耐用年数 10年~15年程度(5~8年毎にメンテナンスが必要)
工事費用 4,000~5,000円

塩ビシート防水同様の特徴で、工期が比較的短めで、低費用ですが、複雑な形などの場所へ施工するのは難しいこともあります。一昔前までは日本の防水工事において主流だった工法でしたが、近年は施工する業者が減っています。

メリット
・コストを抑えられる
・伸縮性があり、天候の影響も受けにくい
・工期が短めで済む

デメリット
・複雑な形状の箇所への応用性は低い
・塩ビシートと比べれば耐候性が弱い
・施工者の技術力次第で仕上がりに差が出る

 

 

改質アスファルトシート防水


耐用年数 15年~20年程度(5~8年毎にメンテナンスが必要)
工事費用 4,500~7,000円

アスファルトを染み込ませた「ルーフィング」というシートを複数層重ねて防水層を形成する方法を使うのが「アスファルト防水工事」です。施工の際に臭いや煙が発生するので、施工場所を少し選びます。

そこで新たに生まれたのが、臭いや煙の発生がほぼない「改質アスファルト防水工事」です。アスファルトに合成ゴムなどを混ぜをシート状にしたもの(アスファルトルーフィング)を使います。その中でも「トーチ工法」「冷工法」「BANKS工法」が有名です。

 
「トーチ工法」

メリット
・既存のアスファルト防水の上に被せて施工が可能
・溶かした状態で接着するため、冷工法よりも防水性に優れる

デメリット
・施工時に臭いが発生
・火を使って施工するため、施工環境によっては施工することができなかったり、危険性を伴う
・5~8年間隔程度でトップコートが必要になる

 

 
「冷工法」

メリット
・施工性が早く工期が短くなる
・剥離紙をはがし、火を使わずに接着するため、アスファルトが溶けたときに匂いがしない
・火を使用しないためトーチ工法よりも環境に影響されにくい(一部、火で溶かして接着することもある)

デメリット
・単価が高い
・溶かしたときと比べて密着度は低い
・5~8年間隔程度でトップコートが必要になる

 
「BANKS工法」

メリット
・積層工法により水密性が高い
・臭いも煙も発生しない作業環境はクリーンかつ安全
・寿命年数が長期(20年~ほど)
・小型の工具で施工ができるため、コストも工期ともに削減できる

デメリット
・取扱いできる業者が少ない
・5~8年間隔程度でトップコートが必要になる

 

 

FRP防水


耐用年数 10~15年程度(6~7年毎にメンテナンスが必要)
工事費用 5,000~7,000円

液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水です。

FRPとは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称です。ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強されたプラスチック(FRP)の特性を防水分野に応用したもので、防水層は軽量かつ強靭、耐熱性・耐食性・耐候性などに優れているという特長があります。

出来上がった防水層は、継ぎ目のないシームレスな層となり、優れた防水性能を発揮します。また、塗膜の硬化速度が速いため、何層も塗り重ねる仕様でも1日で施工を完了させることが可能です。

メリット
・強度が大きく軽量、かつ耐水・耐熱・耐久性が優秀
・厚みで施工可能
・すぐに乾くので工期が短い
・トップコートのバリエーションが豊富

デメリット
・コストが割高
・施工時に臭いが発生
・外気温に影響を受けやすい(湿気や化学反応で硬化する特性がある)

 

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